2008年07月06日

Sky Gazer -1話

人は初めから当たり前にある物に関しては注して注意を注がなかったり、気にしないのが普通の事だ。
僕たちは何も考えなくても普段呼吸して、手足を動かして、寝て起きて生活している。
でもひとたび「何故呼吸してるんだろうか?」と意識したら急に息苦しくなる、人間ってのはそういうものなのだ。

だから僕の住むこの世界では、人が無意識に呼吸をするように、何も考えなくても手足を動かせるように、ごく自然に、当たり前に空が無い。

空が無いのだ。

今が西暦で言うと何世紀なのかすら人はわからない、ただ最後の大戦から200年以上経ってるのはみんなの共通認識だ。

相次ぐ民族紛争、それに介入する大国の武力鎮圧という名の何十年に及ぶ暴力によって、何よりも一番ダメージを受けたのはこの星だった。
かつては「緑の星、奇跡の惑星」と言われたこの星も今は汚泥に沈む石ころのようなものだ。
自然といわれるものはほぼ壊滅し、一部の空気浄化システムが稼動している都市部にしか人間は住むことができない。
ジオフロント計画も相次ぐ地殻変動で計画変更を余儀なくされ
「上に伸びれないなら下に進め」という生活環境改善の一台プロジェクトは脆くも崩れ去った。
人間が上に伸びることを放棄したのは先述の対戦末期の話だ。
世界最大の大国に対しての起死回生の一撃として開発されたのが軌道衛星「シャンポリオン」だ。
何故この世界に暗雲を齎せた機械にフランスが生んだ言語学の天才、古代の英知であるヒエログリフ解読を成し遂げた偉人の名前をつけたのか、もう知る人は居ない。
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posted by かっぺ at 11:52| Comment(4) | TrackBack(0) | かっぺ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月04日

「このこの」第1話

 玄関を開けると赤ん坊を抱いたミコトがいて、イクジはしばし呆然とした後に深いため息をついた。
「誰の子よ?」
「知らないって!」
「知らんってお前どんだけ……」
「もしかして凄まじい勘違いしてない?」
 赤ん坊があーとおもむろに泣き出す。慌てて部屋に招き入れるイクジ。
 ばたんと閉まるおんぼろアパートのドア。その様子を物陰から覗いている怪しげな人影。



第1話「このこの運命」



 困り果てたミコトがイクジのアパートを訪れたのも、イクジがミコトをすぐさま部屋に招きいれたのも、ふたりがその程度の関係だからであった。いっこうに泣き止まぬ赤ん坊を抱いたままその場に座り込むミコト。
「泣き止まないよね。ねえ、なんでだろ?」
「腹でも減ってんじゃねえの?」
 泣き声のやかましさにうんざりとしながら冷蔵庫を開けて中身を確かめるイクジ。いたんだ野菜と何週間も前の牛乳と缶ビールが2缶。だめだこりゃと言わんばかりに顔をしかめ、缶ビールを1本取り出して自らが飲む。
「そいつにも飲ませてやれよ」
「何を?」
「おっぱい」
「出ないわよ!」
「お前さあ、産むんなら出るようにしとくだろフツー」
「だから産んでないって!」
 一瞬言葉を失うイクジ。
「……あー、よかった」
「何がよ?」
「てっきり俺の子かと」
「その言葉を聞いて私もあらためて同感だわ」
「つーかじゃあ一体どうしたのよソレ」
 イクジ、晴れがましい表情を浮かべながらミコトの傍に座る。憮然として答えるミコト。
「拾った」
「拾った?どこで?」
「ウチのそばの【なかよし親子公園】」
「親いねえし……」
「それで、この子を入れたバスケットに置手紙があって……」
「なんて書いてた?」
「【拾わないでください】って」
「じゃあ拾うなよ!」
「拾うなって言われれば拾いたくなるのが人情でしょうが!」
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posted by リーダー at 19:15| Comment(4) | TrackBack(0) | リーダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

かっぺのプロフ

参加してみました、かっぺです。

性 別:男
居住地:関東
年 齢:30ですよ、嘘ついても仕方ねえ…w
職 業:俳優です、別枠で演劇ユニットGAIA_crew代表
将 来:お金もう少し稼げる人、幸せな結婚w
趣 味:DJ、格闘技、読書とかゲームとか映画鑑賞
家 族:母一人子一人
疾 病:慢性アレルギー性鼻炎
資 格:無いっす
苦 手:裁縫。

得 意:一応芝居としゃべり?シナリオは良くわからです、少し不思議系かw

受賞歴:ねえっす、そういうのにあんまり縁がない

不 安:財布の中身と恋愛事情。

最近始めたこと:某大手居酒屋チェーンでのバイト。
posted by かっぺ at 07:41| Comment(0) | TrackBack(0) | プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月03日

天女の社

 最初のアップは、本来書こうとしていたものとはベクトルの異なる作品です。
 もともと、ショートフィルムを主に制作している某監督さんが、自分の代わりにホンを書いてくれるライターを募集しているということで、そのコンペに参加したときに検討用に送ったホンです。
 その後、監督さんから連絡があり、結局はライターとしては選ばれませんでしたが、「このホンで撮りたい」と言っていただいた作品です。

 まあ、それ以来、監督さんからの連絡がないので、実際どうなるか分からないんですが(汗)。



天女の社


   人 物
 桃川杏(26)
 桃川真一(26)
 少女(11)
 少年(11)

○とある田園
   一面の青空。
   広がる田畑。
   その中にひとかたまり、異質なものの
   ように存在する林。
   とぼとぼとそこへ向かう桃川杏(26)。

○同・林
   林の中に入っていく杏。
   木々の間から差し込む陽光が杏の足下
   を照らす。
   杏、陽光を見上げ、そのまぶしさに目
   を細める。
   杏、何かを探しているように、周囲を
   キョロキョロと見回す。
   と、突然に林の中を駆ける一陣の風。
杏「うわっ!」
   杏、風から目を背ける。そして、風が
   駆け抜けたのを悟ると、恐る恐るとい
   う感じで目を開ける。
   すると、そこには人の背丈ほどの小さ
   な鳥居がある。
   ホッとした表情になる杏、鳥居に向か
   って歩きだす。
   杏の向かう先、鳥居の向こうには、や
   はり小さな社がある。
   社の上だけ、穴を開けるように木々が
   避けており、スポットライトのように
   陽光が社を照らす。
杏「まだ……残ってたンだ……」
   杏、社に歩み寄り、社のホコリを手で
   払う。そして、社の横に座る。
   杏、陽光をまぶしそうに目を細め、見
   上げる。
   そして、ゆっくりと目を閉じる。
   と、そこへ少女(11)の声。

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posted by 車弁慶 at 14:20| Comment(3) | TrackBack(0) | 車弁慶 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月02日

人間コントローラー

「自分コントローラー」作・中本良


ダメ人間街道邁進中の主人公。ある日、彼は謎のコントローラーを見つける。それは自分自身を操れるコントローラーだった。そのコントローラーを通してあぶり出される社会問題。社会が抱える問題人間の実情と感情をキモやかに描く中本氏渾身の名作。(解説・サンパスロ・直子・モンゴメリン)

第一話「コントローラーってレベルじゃねぇぞ!」

 トイレ掃除をしていると、ゴボゴボとコミカルな音が鳴り響き、私は便器を覗き込んだ。
 ぷっかりとコントローラーが浮いていた。
 私はそれを取り上げマジマジと見つめてみる。

 ゲームだ。ゲームのコントローラーだ。

 人気家庭用ゲーム機用のコントローラーだった。何故トイレから出てきたのか?よくわからないが汚いのですぐにスーパーの袋に詰めて、燃えないゴミとして捨てることにした。

 ゴミを捨て場で、一人暮らしの割には多すぎるゴミを捨て終わると、近所の主婦が子供を連れてゴミを捨てにやってきた。私は近所付き合い&挨拶が大の苦手なので、すぐさま目をそらしその場を後にした。

 すると、子供がアホみたいに騒ぎだした。「おがーざん。げーむのこんろろーらー。こんろろーらーがすててあるぅ」どうやら、私のゴミ袋の中身に気づいたようだった。
 私はちらりと目をやる。子供がゴミ袋ごしにコントローラーをいじっているにも関わらず、母親は無視してゴミを捨てていた。人ン家のゴミを触るとは、プライバシーの侵害なり。叱らないとはなにごとか。最近の親というのはどうしてあぁ色っぽいんだ!おっぱいが大きいじゃないか!

 と、まぁそんな感じで歩き出すと、私の体はあらぬ方向へと動き出した。脳では真っ直ぐ進行せよと命令を出しているにも関わらず、右へ左へと勝手に進行していってしまうのだ。まるで操られているように。
 私の体はその場をグルグルと歩き回り出してしまった。
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posted by nakamotoman at 12:16| Comment(3) | TrackBack(0) | 中本良 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

中本良のプロフィール

リーダー
性 別:男
居住地:関東
年 齢:17ですよ。きっとね。
職 業:文字に関連する…ライター?ライダー?ライダー。
将 来:今のところは収入を増やすこと。
趣 味:名画鑑賞。乗馬。
家 族:2人+一匹、時々3人+一匹。
疾 病:いっぱいあるから。選べない。どれにしょう。
資 格:マウスとかいうのと運転免許。
苦 手:機械。

得 意:恋愛、コメディー。あと歌が得意。えなりの物真似できる。

受賞歴:症と呼べるものはあるけど、賞はないです。

不 安:見ないことにしております。

最近始めたこと:早寝早起き。
posted by nakamotoman at 07:39| Comment(1) | TrackBack(0) | プロフィール | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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